不如帰の鳴き声に、定家の父、俊成が詠んだ歌を思いつつ。
さて、平成29年4月1日から開催中の「没後20年 司馬遼太郎展 21世紀“未来の街角”で」展も後1週間を残すところとなりました。
今回は、観覧者の年齢層が10代から70代と幅広く、男性お1人での観覧やご夫婦で観覧してくださる方が非常に多く、いつもの展覧会とはちがった様相を見せています。
また、学生の姿も見られ、司馬さんからのメッセージ「二十一世紀に生きる君たちへ」に特に興味を持って、ご覧下さっている姿を見ると、本当に嬉しく思います。
本日も、追手前高校の新聞部の学生二人が、司馬遼太郎展の取材に来てくださいました。どのような記事が書かれるのでしょうか。とても楽しみです。
今回は、司馬さんのミリオンセラー作品「竜馬がゆく」を中心テーマとして取り上げています。
坂本龍馬は、“泣き虫でよばあたれの竜馬”として登場し“人々に愛され、必要とされる竜馬”に成長し、最後は“次世代の人々に希望と未来を与えて”この世から去って行きます。
『天に意志がある。
としか、この若者の場合、おもえない。
天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、その使命が終わったとき惜しげもなく天へ召しかえした。
その夜、京の天は、雨気が満ち星がない。
しかし、時代は旋回している。
若者は、その歴史の扉(とびら)をその手で押し、そして、未来へ押しあけた。』
坂本龍馬という歴史上の人物を未来へのメッセンジャー「竜馬」として登場させた司馬遼太郎さん。感動的な世界へ来館者を誘う本展をお見逃し無きよう、ご案内申しあげます。
なお、20日(土」午後2時から、司馬作品に親しんでいただくための「朗読の会」を開催いたします。
会期中最後のイベントとなりますので、ぜひ、足をお運びください。お待ちいたしております。(津)