大原富枝は、結核療養中に短詩型文学や小説を書き始め、過酷な人生を健気に生きていく女性の作品を次々と発表し、‶女性が生きる″‶女性を生ききる″とはどういうことかを題材にした、大原にしか描くことのできない文学を確立していきました。
今回の出展資料は、草稿や色紙、賞を受賞した作品を含む多数の書籍、作家たちとの交流が窺える資料などをご紹介します。また、大原との交流や大原作品について感想を述べた、高知県黒潮町出身・上林暁の草稿「大原富枝」も併せてご紹介します。
大原は、「私にとって書くことは生きるということ」という言葉を残しています。結核と闘いながらも熱のない時には病床で作品を書き継ぎ、病気が快復してもこの言葉と共に作家生活を歩みました。大原が辿った軌跡をご覧ください。
〈展示風景〉 (佳)