■本の情報
書き下ろし。中脇初枝・文/あずみ虫・絵。
あすなろ書房より、2020年8月刊行。
■作品について
「くわばらくわばら」「ちちんぷいぷい」といった不思議な言葉を聞いたことはありませんか。
『つるかめ つるかめ』は、こうした昔から伝わるおまじないの言葉を集めた絵本です。
雷が鳴って怖い時、地震が起きた時、不安になった時……生きているとさまざまな場面に遭遇しますが、自分ではどうしようもないことがあった時、そうした状況をうまく乗り越えるためにこうした「おまじない」が唱えられてきました。
この本は、新型コロナウイルスの流行の中、刊行されました。
誰もが不安を抱えている状況ですが、中脇さんは、子どもでも大人でも、それはあたりまえのことなんだと肯定してくれています。
この本を読むと、肩の荷が下りるような読後感を感じ、気づかないうちに自分が少し無理をしていたかもしれないな、と、自分を振り返ることができたように思います。
今、辛いことに直面している皆さんが、この本に出会い、少しでも「だいじょうぶ」という気持ちになってくれたらと願っています。