高知県立文学館

KOCHI LITERARY MUSEUM
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文学館ニュース
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【本の情報】
講談社より2020年8月に刊行。カバー装画・五十嵐大介
『神に守られた島』(2018年7月 講談社)、『神の島のこどもたち』(2019年1月 講談社)を加筆修正して文庫化

【あらすじ】
第二次世界大戦末期、沖永良部島に住む少年マチジョーと少女カミは、大切な家族を失い、食料にも不自由する日々を過ごしていた。
激しい空襲、敗戦、そして沖永良部の復帰運動と、時代の流れの中で翻弄される島の人々とこどもたち。
南の島に刻まれた知られざる戦争の物語を、マチジョーとカミの視点で描く。

【作品について】
この作品は、敗戦までをマチジョーの視点で書いた『神に守られた島』、復帰運動のうねりの中で成長し、夢を抱くようになったカミの視点で書いた『神の島のこどもたち』二つの作品を加筆修正して収めています。
マチジョーとカミはどこにでもいる普通の少年少女です。だからこそ変貌する島の生活に直面し、戸惑い、怒り、悲しむその一つ一つの感情が、読み手にも自分のことのように伝わってきます。戦争について語ることが少なくなった昨今ですが、この物語は現在の私たちにも遠い戦争のことをわがことのように考えさせてくれます。
背景として島のことばや唄、昔からの風習、のどかで美しい風景がふんだんに描写されています。戦争前後に沖永良部島がたどった運命は辛く苦しいものですが、だからこそ島の美しさ、人々のひたむきさが一層際立つのかもしれません。
島の唄や美しい風景は、『神の島のうた』(中脇初枝著、葛西亜理沙写真)で知ることができます。また、特設サイトで唄を聴くこともできます。

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