高知県立文学館

KOCHI LITERARY MUSEUM
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文学館ニュース
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【解説】
上林が東大の英文科に入学した1924年、イギリスの詩人エドモンド・ブランデンが英文学の講師として赴任しました。
若いブランデンは学生たちに慕われ、3年間その薫陶を受けた上林は、他の教授にはない詩人的な雰囲気に大きな影響を受けました。
当館に上林が記したブランデンの講義ノートが所蔵されています。表紙にはProf. Blunden: Essayists of The Romantic Period, No.Ⅱと記入されたもので、コールリッジなどイギリスの19世紀ロマン派詩人を中心にした講義内容が書き込まれています。上林は、ブランクだらけのノートだったと述懐していますが、実際には、右ページに筆記体ですらすらと書かれた英文がびっしりと並び、左ページには見出し語とメモ書きが記されたとても見やすいノートです。上林の語学力に感嘆するとともに、「コツコツと努力を重ねて行って、最後まで、少しずつでも登ってゆく作家になりたい」と述べる作家となった上林の、若き日も変わらぬ文学に対する姿勢を見ることができます。                         

離任時、ブランデンは教え子たちに自分の蔵書を1冊ずつ贈り、上林は、ブランデンが発見した19世紀の詩人ジョン・クレアの詩集『The Rural Muse(田園美神)』を譲り受けました。ブランデン先生との思い出を小説「ジョン・クレアの詩集」、随筆「ブランデン氏の記念品」「回想のブランデン先生」などに記しています。

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