東京都生まれ。作家。母方の祖父が高知県土佐郡(現・土佐町)出身で、高知と深いゆかりがある。児童文学、民話、小説、詩集をはじめ多岐にわたるジャンルで読者の心に残る作品を書き続けた。
1926(大正15) 東京に生まれる。本名・美代子。幼いころから本に親しみ、芥川龍之介、小川未明、坪田譲治らを愛読。 |
1943(昭和18) 東洋高等女学校を卒業。 前年に亡くなった幼なじみへの鎮魂の意を込め、初めて童話「とかげのぼうや」を執筆。 |
1946(昭和21) 長野に疎開中、野尻湖に疎開していた坪田譲治を訪問。その後30余年、坪田に師事。 |
1951(昭和26) 童話集『貝になった子供』で第1回児童文学者協会新人賞を受賞。 |
1952(昭和27) 木下順二主宰の「民話の会」に出席。「民話」の持つ豊かで奥深い世界に関心を寄せ、民話の採話、研究、現代の民話への取り組みをはじめる。 |
1960(昭和35) 信州(長野県)に伝わる小泉小太郎伝説などをもとに執筆した「龍の子太郎」で第1回講談社児童文学新人賞に入選、出版。 |
1961(昭和36) 『龍の子太郎』で第8回産経児童出版文化賞を受賞。翌年、国際アンデルセン賞優良賞受賞。 |
1964(昭和39) 『ちいさいモモちゃん』で第2回野間児童文芸賞、第3回NHK児童文学奨励賞を受賞。 その後も赤ちゃんの愛読書としてのあかちゃんの本『いないいないばあ』等多数(全30冊/童心社・偕成社)、戦争、公害、いじめなどをテーマに珠玉の作品を発表。 |
1997(平成9) 長年の業績により第20回巌谷小波文芸賞を受賞。 |
2015(平成27) 2月28日、老衰のため逝去。89歳(満)。 |
<おもな著作>
民話『信濃の民話』(1957) 未来社
『秋田の民話』(1958) 未来社
童話『龍の子太郎』(1960) 講談社
『ちいさいモモちゃん』(1964) 講談社
『ふたりのイーダ』(1969) 講談社
『オバケちゃん』(1971) 講談社
『松谷みよ子おはなし集』(2010) ポプラ社
戦争絵本『まちんと』(1978) 偕成社
あかちゃんの本『いないいないばあ』(1967) 童心社
民話研究書『民話の世界』(1974) PHP研究所/講談社
詩集『若き日の詩(うた)』(2003) 童心社
全集『松谷みよ子全集』全15巻(1972) 講談社
『松谷みよ子の本』全10巻、別巻1(1994) 講談社
自伝『じょうちゃん』(2007) 朝日新聞社
<おもな企画展> 「松谷みよ子の世界展」(平成22年11月16日~平成23年1月10日)