小説家。翻訳家。
「パルタイ」で華々しく登場し、以後カフカ、カミュ、サルトルなどの実存主義文学の影響を受けた数々の作品を発表。アメリカ留学やポルトガル滞在などの海外体験を経て、作品に変化がみられ、日本回帰的なものや、神話や童話を題材とした秀作など、さまざまなスタイルの作品を世に送り出した。シェル・シルヴァスタインなどの優れた翻訳も多い。
1935(昭和10) 高知県土佐山田町(現・香美市)の歯科医の長女として誕生。 |
1956(昭和31) 歯科衛生士国家試験に合格、免許を取得するも、明治大学文学部入学。 |
1960(昭和35) 「パルタイ」が明治大学学長賞を受賞。芥川賞候補となる。 翌年、同作で第12回女流文学者賞を受賞。 |
1963(昭和38) 「その作家活動に対して」で第3回田村俊子賞を受賞。 |
1966(昭和41) フルブライト留学生として渡米。 |
1970(昭和45) 第1エッセイ集『わたしのなかのかれへ』を刊行。 |
1975(昭和50) 『倉橋由美子全作品』(全8巻)を刊行。 |
1977(昭和52) 『曽野綾子・倉橋由美子集』、『迷宮』、シェル・シルヴァスタインの翻訳『ぼくを探しに』を刊行。以後、翻訳も手掛ける。 |
1987(昭和62) 『アマノン国往還記』で第15回泉鏡花文学賞を受賞。 |
2005(平成17) 6月10日拡張型心筋症により死去。69歳(満)。 7月、絶筆となった『新訳 星の王子さま』を刊行。 |
<おもな著作>
『パルタイ』
『夢の浮橋』
『ポポイ』
『よもつひらさか往還』
『酔郷譚』
全集『倉橋由美子全作品』(全8巻)
翻訳『ぼくを探しに』(シェル・シルヴァスタイン作)
<おもな展覧会> 「倉橋由美子 人と文学」展(平成19年1月14日~3月25日)
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