令和3年7月、高知県立文学館の館長に就任しました。館長挨拶は文学館ホームページの「文学館について」にありますのでそちらをご覧ください。ここでは、ささやかなエピソードを交えた自己紹介をさせていただきます。
文学館は、緑豊かな藤並の森に囲まれた趣のある石造りの文学の館です。旧郷土文化会館として建築後50年以上が経過しており、馴染みのある方が多くいらっしゃると思います。藤並の森は私にとっても懐かしく親しみの持てる場所であり、学生時代に旧県立図書館に足しげく通い、勉強そっちのけで本を読み漁った記憶があります。本の中に答えがあるような気がして懸命に読みふけっていた若かりし頃を懐かしく思い出します。
あれから40年。森を眺めながら通った県庁人生で読んだ本は、正直に白状すると、法令等の解説書や自己啓発本の類いが圧倒的に多く、文学は好きな作家の本を読むだけで精一杯でしたが、こうして再び文学に正面から向き合えるチャンスをいただいたことを光栄に思っています。館長就任以来、顕彰作家の偉大な作品群から開催中のノンタン展や次回作の錢天堂まで、「文学」の奥深さ幅広さに驚きを覚える毎日です。さまざまな文学の魅力を発信し、より多くの皆様に文学と親しんでいただけるよう、求められる文学館づくりに取り組んでいきたいと考えています。
ぜひ、当館にお越しください。ご来館を心よりお待ちしています。(哲)