7月3日から約2か月の間、たくさんの子どもたちに楽しんでいただいた「刊行45周年記念 ノンタン絵本の世界展 もっと!ノンタン みんなだいすき!」もいよいよ9月5日(日)が最終日となります。
幼いこどもが自分の手で持てるようにと考えて作られた、この小さな絵本の原画展には、たくさんの子どもたちが遊びにきてくれましたが、想像以上に大人の方だけでのご来館も多く、原画1点1点の前でゆっくりと立ち止まり、作者・キヨノサチコさんが大切にしてきた、パステルカラーの色合いの鮮やかさや、楽しくのびやかに描かれた筆遣いなど、原画の持つ魅力を、思い思いに堪能されていました。
ノンタン絵本の特徴でもある太い輪郭線は、黒い絵の具を墨汁で溶いて描かれているそうで、小さなはちさんも、画面いっぱいのノンタンも、すべて1本の面相筆を使っているとのこと。線の太さ細さを自在に描き分けて、ノンタンの子猫のかわいらしさ、やわらかな毛のタッチが表現されています。
原画をじっくり眺めていると、作者の筆遣いとともに、一つ一つの作品に込められた、すべての子どもたちへの「ママノンタン」キヨノさんの愛情の深さを感じ取ることができる気がします。
ノンタン絵本は、いつでもそばにいてくれる友達のような、とても身近な存在ですが、原画を間近でみる機会はなかなかありません。展覧会は9月5日(日)までですので、どうぞお見逃しなく。
(岡)