常設展示室の中山高陽を、山内容堂に展示入れ替えしました。
容堂は第15代土佐藩主であり、幕末の激動の時代に名を残し評価される一方で、「酔えば勤皇、覚めれば佐幕」と揶揄された人物です。
文人としての容堂を眺めると、豪快でありながらも、繊細な感性を持っていたようです。
例えば「酒さえあればよい」と豪放な酒豪の一面を見せる狂歌を詠む「朱瓢(しゅひょう)戯画賛」、主君への忠誠を窺わせる技巧を凝らした和歌「山月」や戯れに描いて部下に与えた「大根戯画」、また自分の生き方は間違っていなかったという自負を示す漢詩「方外草堂書懐(ほうがいそうどうにおもいをしょす)」など、残された詩歌には容堂の持つ複雑な側面が窺えます。
容堂の生きた時代に思いを馳せ、詩歌に吐露された容堂の心のありようなどを感じていただければ幸いです。
その他、坂崎紫瀾や田中貢太郎、司馬遼太郎、大岡昇平などによる、容堂を書いた文学作品などを紹介しております。
容堂とは何者であったのか―ぜひ高知県立文学館の常設展示室を覗いてみてください。