4月から文学館で働くことになりました。
これまで、特別に高知の文学を意識することはなかったのですが、唯一、身近に感じている作品が有川ひろさんの「県庁おもてなし課」です。
それは、高知県庁に実在する組織が描かれたことに加え、映画撮影のため執務室のセットが作られた本庁舎と議会棟をつなぐ渡り廊下で、実際に仕事をしたことがあるからです。廊下なので当然空調設備はなく、壁一枚で囲まれているだけなので外気の影響を直接受けて暑い、寒い、しかも狭いという結構大変な状況で半年ほど過ごしました。
耐震工事が終わり、私たちが元の執務室に戻った数か月後に撮影が始まりました。セットを作る際に、まだ廊下に残っていた机やキャビネットを利用したこともあり、映画では自分たちが仕事をしていた執務室の雰囲気が非常に良く再現されており、主演の錦戸亮さんや堀北真希さんと一緒に仕事をしていたかのように感じられました。また、撮影現場を見学させていただき、生の錦戸亮さんを見ることができたのはいい思い出です。
映画の主題歌となった関ジャニ∞の「ここにしかない景色」の歌詞の中で「特別な光のさす場所」という言葉が出てきます。悩み、苦しんでいる時に前へ進む勇気を与えてくれる場所を意味しているようです。
文学館が、誰かの「大切な場所」になれたらいいなと思います。今後ともよろしくお願いいたします。(ソラ)