師走に入り、「今年も1年あっという間だったな」と心の中でつぶやいています。「月日が経つのが早い」と口にすると「年とった証拠」と言われるのが落ちなのであまり大きな声では言いたくありませんが、やっぱり体感では、「えっ、もう12月?!」という感じなのです。
街中にイルミネーションが輝き始め、特に予定はないのに心がそわそわとしてきます。何かに追い立てられるような落ち着かない気分の時、私は展示室をそっと覗くようにしています。作家の年表や愛用品、原稿などを見ているうちに、不思議と心が凪いできます。今、文学館は「めざめる探偵たち」展を開催中ですが、来館されたお客様の熱心さに心打たれることもしばしばです。若者の文学離れが言われて久しいですが、中高生であろうと思われる年代の方が、黒岩涙香や馬場孤蝶のパネルの前で、熱心に解説を読まれている様子に、一人心を温かくし、若者が生涯文学を友としてくれたら…などと願ったりしています。
文学館は年末は12月26日まで開館しています。新年は1月2日から開館します。「めざめる探偵たち」展は1月8日までとなっておりますので、ぜひお早めにお越しください。(敦)