11月13日(日)、第19回児童生徒文学作品朗読コンクール県審査が開催されました。県審査に選出された24名の皆さん、どの方もすばらしく、地区審査より読み込んで練習を重ねたことがわかりました。審査委員の先生方も講評の時に「今年ほど悩んだ年はなかった!」とおっしゃるほどでした。今年優勝された方は、小学校のときから挑戦してくれての金賞受賞!やはり、継続は力なり、です!
高知県は東西に長く、高知市で開催される県審査に県内からお集まりくださるというのは、高知ならではの大変さなのかもしれません。お家の方、指導をされた先生方のご協力なくしては、無事に開催することが出来ませんでした。改めて御礼を申し上げます。
今年の特別審査委員には翻訳家の菱木晃子先生をお迎えし、記念講演会「翻訳は日本語が勝負!?」も開催しました。翻訳家というお仕事のことや、日本語の働きなどをお話くださって、大変興味深い講演会となりました。
特に、スウェーデン王国から、その功績が認められ、北極星勲章を受勲されるきっかけとなった『ニルスのふしぎな旅』の翻訳は、数年かけて翻訳した後、「さらに声に出して何度も何時間も読んで、自然な日本語になるように訳したんですよ。」というお話をされました。
『ニルスのふしぎな旅』は、作者のセルマ・ラーゲルレーヴ(1858-1940)が地理読本として1906年に第一部、翌年に第二部を出版した作品で、今年は出版されて110年の節目の年になります。以前の20スウェーデンクローナ札には作者の肖像とニルスのカットが描かれていて、スウェーデンの国民的児童文学作品です。菱木先生は本物のクローナ紙幣を講演会の時に見せてくださいました。(2015年にデザインが変更され、20クローナ紙幣はピッピの作者、リンドグレーンになったそうです。)
『ニルスのふしぎな旅』といえば、日本でもアニメになり、有名な作品です。原作はニルスの冒険、成長物語であると同時にガンの目線で俯瞰しながらスウェーデンの地理を学ぶことができる作品で、ニルスを一人前に育てたアッカ隊長の「・・・人間はこの世に人間だけで暮らしているのではない」という言葉から、作者の生き物や自然への愛情が伺えます。日本にもこのようなお話があるといいですね。
(真)