文学館では、現在「追悼 市原麟一郎先生~土佐民話よ、永遠に~」展を開催中です。
その関連企画の1つとして、11月30日に「土佐民話の里めぐり」バスツアーを実施しました。
当日は気温が下がり肌寒く感じる場面もありましたが、秋晴れの天気に恵まれました。日高村、越知町、佐川町方面の民話や伝説の場所を巡り、紙芝居や語りを堪能していただきたいと企画したツアーに26名の方が参加してくださいました。
午前9時に集合し、まず展示室で、市原先生の生涯や民話採集の足跡、高知県に残る民話の数々などのジオラマなどを見学していただきました。その後、いの町の波川公園では「紙すきたぬき」、日高村の小村神社では「瀬のぼりの太刀」、猿田洞では「じゅつくらべ」というふうに、各地にゆかりの紙芝居をその場で披露させていただきました。外で立ちっぱなしであったり風が冷たかったりしましたが、皆さん熱心に耳を傾けてくださいました。
昼食後は「機魔(はたま)が渕(ふち)のふしぎ」という民話の場所である、佐川町の機魔が渕・宮ノ原八幡宮へ。看板も何もなく、住人の方でも知らない方が多い場所ですが、本館カルチャーサポーターの方が地元出身で場所と由来をよく知っており、今回その渕の場所まで行くことができました。娘が渕の主の大蛇にさらわれ嫁になる話ですが、その渕を見ながら紙芝居を聞くと臨場感があり、感慨深いものがありました。
その後、越知町のみみなし地蔵を観覧し、最後に佐川町の乗台寺で先代のご住職から法話をお聞きしました。乗台寺には飼い猫にまつわるお話が残っており、その詳細をお聞きすることができました。
市原先生が後世に残し伝えたいと願った民話を、その里を巡りながら参加者の皆様と味わうことができ、私たちスタッフにとっても心に残る一日となりました。
ツアー実施に協力してくださった高知新聞観光はじめ、日高村観光協会、乗台寺の皆様、各関係者の皆様、そしてご参加くださった皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。(敦)
(追伸)企画展「追悼 市原麟一郎先生~土佐民話よ、永遠に」は令和7年1月5日まで開催中です。たくさんの民話を楽しむこともできますのでぜひお越しください。