記念講演会「自然を見る新しい目ー寺田寅彦の科学の現代性」
- 日時
- 令和4(2022)年9月23日 (金・祝) 14:00~ 15:30
- 関連企画展
- 寺田寅彦「茶わんの湯」100年 ふしぎいろいろ展
- 会場
- 高知県立文学館 1階ホール
- 定員
- 50名
- 参加費
- 要当日観覧券
- 申込
- 要予約:お電話もしくは文学館受付にてお申込みください
松下貢氏(中央大学名誉教授)による記念講演会です。
金米糖やキリンのまだら模様、電車の混雑などから複雑系科学にせまるお話です。
【講演会概要(松下貢氏)】
金米糖の特徴的な角(つの)やキリンの斑(まだら)模様、線香花火の美しくもはかない輝きはどのようにしてできるのでしょうか。空に浮かぶ雲や遠くの山並み、川筋や海岸線、桜や松などの木々やカスミソウなどの草花の枝分かれなど、自然界に見られる物の形は一見してあまりにも雑多なようですが、それらには何か規則性はないのでしょうか。寺田寅彦はこれらの素朴な疑問を100年近くも前に抱き、観察と考察、実験を重ねて数々の研究を行いました。彼の研究そのものは科学の主流から大きく外れていたために、当時は必ずしも広く注目されたとは言えません。しかし、それらについて記した寅彦の随筆はとても興味深くて示唆に富み、現在に至るまで多くの人々の心をとらえて離さず、広く読まれ続けています。寅彦の科学のほうは、金米糖の角(つの)のでき方一つをとっても現代物理学の重要な考え方に深く関わっており、前世紀末から今世紀に入って世界中で盛んに研究されている複雑系科学として花開いたということができます。
ここでは寅彦の科学の本質を現代的な視点で見直し、その後の発展をたどることによって、彼の科学の現代的な意味を探ってみたいと思います。